高薬理活性製剤
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高薬理活性製剤
市場の急速な拡大が見込まれる抗がん剤等の高薬理活性領域への取組みとして、高薬理活性物質対応の製造設備や封じ込めにおける高度な技術がより求められるようになっています。
当社では、高薬理活性製剤を製造する「第七製剤棟」「第八製剤棟」、高薬理活性製剤の開発と分析及び治験薬等の少量製品の生産を行なう、「高薬理R&Dセンター」を保有しており、小規模スケール(1ロットあたり1kg~10kg)から大規模スケール(1ロットあたり50kg~100kg)まで幅広い製造スケールに対応しております。
2020年12月には、第八製剤棟の2ライン目が竣工し、更なる増産要求に対応可能となりました。
高薬理活性物質管理
従業員曝露対策
高薬理製剤は一般製剤と異なり、特別な製造施設を採用しています。あらゆる段階に置いて最も求められることが、封じ込め対策です。作業者への曝露防止、そして環境への配慮が重要となります。
そこで、当社では製造設備と空調設備、そして更衣、運用といったハードとソフトを組み合わせた封じ込め対策をICHガイドライン、欧米の最新のガイドラインに基づいて設計し、運用しています。例えば、製造室を最も陰圧にして、その周辺を製造室より陽圧に設定することで製造エリアの封じ込めを実現しています。
曝露レベルの高い秤量室ではアイソレータ内で秤量や調合作業を行い、混合末を専用容器に投入し密閉、飛散を防止しています。
開発、分析などのエリアで作業するスタッフは万全の装備と運用方法で人体に影響しないように対応しています。また、基礎研究段階などで極微量での試験が可能な場合は、高度な機器を使い原材料や製品に関する分析を行っています。施設内は高薬理物質の取扱量と飛散性に基づいて曝露度合いを分類し、その周囲にバリアゾーンを用意することで高度な封じ込めを実現しています。
製造エリアの入室は更衣室で無塵衣に着替え、手洗い後に手袋、マスク、専用の靴を装着し粘着ローラーで全身の埃を取ります。さらに高レベルのエリアに入室する場合は、防護服をオーバーガウニングし、その上から自吸式呼吸器(マスク)を装着します。製造エリアへは入室、退室それぞれ専用のエアロックを介します。
交叉汚染を防止するために入退室に関する様々な規程や手順を設定、高薬理専用の施設に入室したスタッフはその日、一般製剤の施設には立ち入ることができません。また、施設内は室圧や温度など最適な環境を維持し、安全で品質の高い高薬理製剤の研究・開発や製造を行っています。
環境への流出対策
製造施設や研究開発施設では陰圧管理し製造設備による一次封じ込め、空調設備による二次封じ込めなど、封じ込めを確実なものとしています。
作業後は精製水でアイソレータ内を洗浄し、ハザード排水専用の排水ライン経由で専用タンクに貯留、最終的に廃液燃焼処理を行い無害化しています。
高薬理活性物質の封じ込め性能を評価する為に、排気と作業者の導線の回数が多い床面、ドアノブなどのスワブ試験※を社内規程に基づいて実施しています。
- 設備表面から直接拭き取りにより採取し残留物のレベルを定量的に測定する試験
高薬理活性物質とは・・・
ある種のステロイド類、抗がん剤のように、少量で人体に強い薬効を与えるもの又は毒性を有する物質等
(引用)一般社団法人製剤機械技術学会 ウェブサイト
- 薬理活性が高い物質(体重1kgあたり約15μg以下で生物学的活性を有する/治療用量1mg以下)
- 職業曝露限界(OEL※)が空気1立方メートルあたり10μg未満の物質
- 発がん性物質、催奇形性又は生殖・発生毒性物質、低用量での臓器毒性物質、遺伝毒性物質 など
- OEL:Occupational Exposure Limit. 健康維持の観点から作業者の曝露レベルを制限するために決められる空気中の限界濃度