
代表取締役社長兼CEO
松森 浩士
株主の皆様の日頃からのご理解とご支援に厚くお礼を申し上げます。当社グループの第83期(2025年5月期)における業績をご報告申し上げます。
当連結会計年度における日本経済は、海外経済に一部減速が見られるものの、企業収益の改善を背景に設備投資が緩やかに増加し、個人消費も雇用・所得環境の改善により若干の増加傾向を示しました。全体として経済は緩やかな回復を続けています。一方、医薬品業界では、2024年9月に社会保障審議会医療保険部会が「後発医薬品の数量シェアを2029年度末までに全都道府県で80%以上」とするロードマップを策定しました。また、2024年10月からは「選定療養」が導入され、ジェネリック医薬品のシェア拡大が進む一方、供給不安や過当競争の是正、低価格競争からの脱却などの課題が依然として残っています。
このような状況下、当社グループは中期経営計画「Daito Transformation Plan 2027」のもと、高品質な医薬品の安定供給に注力しました。当連結会計年度の売上高は50,643百万円(前期比8.0%増)となり、原薬や製剤の販売が堅調に推移しました。しかし、主に減価償却費の増加、製品構成の変化、長期滞留在庫の評価減の増 加等により、営業利益は2,619百万円(前期比32.7%減)、経常利益は2,705百万円(前期比 31.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,908百万円(前期比42.1%減)と、3年連続の減益となりました。
今後の見通しとして、医薬品業界は薬価改定や原材料費の増加、エネルギー価格の高騰、人件費の上昇など厳しい環境が続くと予想されます。こうした中、当社は「既存ビジネスの効率化」「中国ビジネスの強化」「新規ビジネスへの参入」「PBR1倍割れ対策と資本配分の高度化」「人的資本への投資」の5つの柱を掲げ、業績改善と企 業価値向上に取り組みます。第84期(2026年5月期)は中期経営計画の2期目にあたり、売上高 52,500百万円(前期比3.7%増)、営業利益3,000百万円(前期比14.5%増)、経常利益3,000百万円(前期比 10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,300百万円(前期比20.5%増)を見込み、V字回復を目指します。
新中期経営計画「DTP2027」の詳細な内容および進捗につきましては、2024/07/17付機関投資家向け決算説明会資料および2025/07/17付機関投資家向け決算説明会資料をご覧ください。
今後も株主の皆様には一層のご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
代表取締役社長兼CEO 松森 浩士