新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品の価格差について

新薬(先発医薬品)の開発には十数年程度の長い期間と数百億円以上の開発費が必要といわれています。
そのため、新薬には特許期間があり、特許が切れるまでは開発した会社が独占して製造販売することが認められています。
特許期間終了後に、同じ有効成分を利用し他の製薬会社でも製造することができるようになり、こうして作られるものがジェネリック医薬品(後発医薬品)です。
ジェネリック医薬品の開発には期間が新薬ほどかからず、開発費用も抑えられるため、お薬の価格も安くなっています。

新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品の価格差について

医療費削減、患者負担軽減への取組み

当社グループでは、ジェネリック原薬及びジェネリック製剤(以下「ジェネリック医薬品」という。)を製造し、 お取引先である医薬品メーカーへ販売しています。原薬、製剤ともに研究開発を強化し、品目数の増加を図っています。
また併せて、生産能力の増強やグループ各社との連携による生産体制の最適化を図りながら、低コストで高品質な製品 の安定供給に努めています。 ジェネリック医薬品は先発医薬品と比べて薬価が低く安価であるため、社会全体の医療費における薬剤費の削減や、 薬の消費者である患者様の費用負担軽減にも役立っています。 当社グループでは、品目数増加の管理指標として、原薬では「MF登録数」、製剤では「新規薬価収載件数」を採用しており、加えて、「ジェネリック医薬品の供給による医療費削減効果(出荷ベース)」を算出しています。2022年5月期の原薬、製剤の主な状況は、以下のとおりです。

原薬

第七原薬棟
第七原薬棟

(1) MF登録数の推移

2021年5月末 2022年5月末 2023年5月末
MF登録数(累計)
(ダイトグループ全体)
112件 106件 103件

(注)※MFとは「原薬等登録原簿」(マスターファイル)のことで、 原薬等の製造業者が、製造方法や製造管理・品質管理に 関する情報等を予め審査当局に登録する制度です。
※各期末日時点における当社グループ全体でのMF保有数を記載しています。

(注)2022年5月期は3件の新規登録があった一方で、既存品目9件の登録整理(MF削除)を行ったため、前期比で6件減少しています。

(2) 生産能力増強

ジェネリック向け原薬の需要拡大を受け、2022年5月に「第七原薬棟」が竣工致しました。完成によりダイト本社工場の原薬生産能力は30%増加します。

(3) 生産能力増強

高薬理活性製剤の増産対応のため、2020年12月に「第八製剤棟の2ライン目」が竣工しています。これにより、大規模スケール(1ロット当たり50kg~100kg)での増産が可能となります。

また、2022年1月に「第十製剤棟」の建設を発表致しました。2024年8月の商用生産開始を予定しており、本工場が完成致しますと、ダイト本社工場の製剤生産能力は、最大30%程度アップ可能となります。

製剤製造工場の新設に関するお知らせ(PDF:691KB)

製剤

製剤

(1) ジェネリック医薬品 新規薬価収載件数の推移

新規薬価収載件数

  • 2020年5月期:2成分2規格
  • 2021年5月期:6成分11規格
  • 2022年5月期:2成分4規格

(注)※薬価収載とは、販売が厚生労働省によって認められた医薬品が、厚生労働省が定めた薬価基準(価格の一覧表) に公定価格として記載されることです。これにより、 市場への供給が可能となります。
※薬価収載の時期は、毎年6月と12月(年2回)です。

(2) ジェネリック医薬品の供給による医療費削減効果(出荷ベース)

2023年5月期の削減効果:約552億円

(注)※当社が当該期にお取引先(医薬品メーカー)へ販売したジェネリック医薬品 が全て市場へ供給され、消費された場合を想定して算出しています。
※算出方法は、各品目の年間出荷数量に当該品の先発薬価と後発薬価の差額を 乗じて得られた数値を合算しています。

(3) 生産能力増強

高薬理活性製剤の増産対応のため、2020年12月に「第八製剤棟の2ライン目」が竣工しています。これにより、大規模 スケール(1ロット当たり50kg~100kg)での増産が可能となります。

(4) 生産体制最適化

子会社である大桐製薬(中国)有限責任公司との連携を強化し、グループ内での原薬から製剤までの一貫生産も視野 に入れながら、製造コストの低減と高品質の維持を図ってい ます。